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閉経後のホルモン補充療法

皆さんご存じの通り、現在日本人女性の平均寿命は、86.4歳で世界1の長寿を誇っています。一方、閉経年齢は、以前より大きな変わりなく中央値が50.5歳といわれております。この事より、日本人女性は、人生の1/3以上を閉経後期間として暮らすことになります。この長い閉経後期間のQuality of Lifeをいかに上げるかが、非常に重要な問題です。
2002年にアメリカ人女性に施行された、ホルモン補充療法(以下HRT)に関する中間報告で、乳がんや静脈血栓症のリスクの増加によりHRTの有用性を批判する意見が上がりました。その後、日本で新たにHRTに関して独自の検証を行い、2009年に「ホルモン補充ガイドライン」が作成されました。さらに2012年に発表された新たなガイドラインからHRTの有効性について少しだけお話いたします。
HRTにおける新たな効果として、睡眠障害の改善、筋力の維持効果、緑内障の予防効果、歯周病の抑制効果、慢性腎臓病の減少(0.66倍)、相対的死亡リスクは約3割減少することなど新たに報告されております。HRTを行うことによる費用対効果は、1女性に対して年間、約25万円の医療費の節約になると考えられております。
HRTを施行するにあたり、未だ根強く乳がんに対するリスクが払拭されていないことがあります。2009年のガイドラインでは、5年以内のHRTの使用では、乳がんの発生率に何ら変化は認めず、服用終了後もその発生率に変化がない事が発表されました。以前よく使用されていた、エストロゲン・プロゲストーゲン併用療法は、乳がん発生リスクが1.24倍と言われております。しかし、1日大瓶1本以上のビールの飲酒で1.75倍になる事やその他の生活習慣でも同様に増加する事を考えると、過度に心配する問題ではないと思います。
近年は、HRTの投与経路についても、内服ではなく、皮膚から吸収させるお薬も出ております。経皮吸収剤の場合、乳がんや脳卒中、静脈血栓症のリスクを上げずに、心筋梗塞のリスクを0.61~0.82倍に減らし、大腸・直腸がんや骨粗しょうを減らす効果が認められております。
10年前から医学は確実に進歩しております。ホルモン補充療法の安全性も少しずつ解明しております。少しでも多くの女性が、快適な閉経後期間を過ごせるようになる事を期待しております。

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