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婦人科がんの最新の動向とその予防法

近年、日本国内の婦人科癌(子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌)の動向に大きな変化が認められています。2014年1月1日~12月31日の統計上、婦人科癌の罹患数は年間約3万人と言われています。その罹患率は、子宮体癌38.3%、卵巣癌(境界悪性型を含む)31.4%、子宮頚癌29.8%となっております。20年前までは、婦人科癌の約半数以上が子宮頚癌だったことを考えると驚くべき変化です。では、各々の癌の最近の動向について解説します。
子宮頚癌は、すべての年齢帯に比較的均等に認めていますが、20~30歳代の罹患率が増加しており、若年化の傾向にあります。現在、子宮頚部高度異形成(以下SD)や上皮内癌(以下CIS)は、子宮頸癌の統計に加えられなくなりましたが、手術など治療対象となるSDとCISを加えると、全婦人科癌の54.8%と半数以上になります。SDやCISは完治できる癌ですが、放置した場合2年以内に進行癌になる可能性があります。CISを含めて子宮頸癌の主な症状は不正出血ですが、70%以上は無症状のため子宮頚癌検診を受けるのが唯一の検査法になります。
近年、子宮頚癌の罹患率は減少ないし横ばい状態であるのに対し、子宮体癌の罹患率は、著しい上昇を認めております。子宮体癌の特徴としては、40歳以上の罹患率が94.8%であり、50~60歳代が増加しています。
卵巣癌(境界悪性型を含む)も近年増加してきた癌で、子宮頚癌の罹患率を超えました。すべての癌の中でも最も多彩な癌で、各年齢帯で罹患する可能性があります。卵巣癌の多くは無症状のため、卵巣癌が見つかった場合、70.9%はお腹の中に癌細胞が広がった状態のため、とても予後の悪い癌とされています。卵巣癌を見つけるためには、第一に超音波(エコー)検査が必要です。
それでは、これらの婦人科癌の特徴からその予防法について考えます。まずは症状がない場合でも1~2年に1回程度、20~40歳代までは子宮頚癌検診と超音波検査を行い、40歳代以降から子宮頚癌・子宮体癌検診と超音波検査を受ける事で、多くの婦人科癌の予防ができると考えます。健康診断の血液検査で、癌腫瘍マーカー検査をして安心されている方がいますが、癌腫瘍マーカーが上昇するのは進行がんの場合だけですのでご注意ください。

投稿日:2016.12.13

月経困難症と過多月経の新しい治療法

最近、月経痛や過多月経の治療のため、レボノルゲストレル(黄体ホルモン)放出子宮内システム(LND-IUS)が保険適応となり、治療に使えるようになりました。それ以前までは、LND-IUSは避妊目的のためのみに使用されていました。
ではLND-IUSの効果は、1)子宮内膜の増殖抑制による月経血の減少効果、2)月経困難症の改善効果、3)子宮内膜症や子宮腺筋症の発症・再発抑制効果、4)子宮筋腫の増大抑制効果、5)子宮体癌の予防効果などが報告されています。LND-IUSは1回の装着で、5年間その効果が発揮されるため、ほかの薬物(ピルなど)や外科手術(子宮内膜焼灼術も含む)などと比較しても費用対効果の極めて高い治療手段と考えます。多くの臨床試験で、月経血の減少効果は、LND-IUS装着12ヵ月後に90%以上に認められ、ほかの治療法と比較しても最も高い結果でした。それは、子宮筋腫や子宮腺筋症の人にも同様な結果を認めました。さらに、LND-IUS挿入6か月から3年の間に、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症の縮小を認めたとの報告もあります。
フィンランドで過多月経治療に、LND-IUSを使用した30歳から49歳の女性9万例を対象とした観察研究では、LND-IUSの使用により子宮体がんの発症が約50%抑制されたと報告しています。
英国は、1995年LND-IUSの認可以降、最初の10年で急速な普及を認め、過多月経の治療としての子宮摘出術の年間施行件数は半分以下になったといわれています。これは、LND-IUSがこれらの外科治療法の必要性を減らしたと考えます。
以上より、LND-IUSは、現在増加している子宮体がんの発症抑制、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症など子宮が起因する疾患の治療、強い月経痛や月経血の多い女性全般に対して症状改善の可能性のある新しい方法と考えます。しかし、子宮内への挿入の可否に当たっては産婦人科専門医の診察が不可欠ですので、ご興味のある方は担当医と御相談下さい。

投稿日:2016.9.21

北海道・加齢とホルモン研究会

H28年6月某日、研究会に出かける際、娘に「お父さんどこに行くの?」と尋ねられ、「加齢とホルモン研究会に参加するんだ」というと、「いいね」と言われた。後で考えると、娘は、カレーとホルモン研究会と聞こえた様だ。

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 矢野 哲先生の講演がとても面白かったのでご紹介いたします。最近発表された、日本人女性の平均閉経年齢は、52.1歳で、少しずつですが、閉経年齢が伸びてきている(2年くらい)ようです。しかし、閉経がが早まるいくつかの原因につて、矢野先生が述べておりました。

 閉経が早まる因子
1)子宮全摘術を受けた
2)卵管結さつ術(不妊手術)  子宮外妊娠で卵管摘出を受けた
3)子宮内膜症 の診断を受けた
4)卵巣摘出術(片側でも) 卵巣のう腫核出術(とくに子宮内膜症性卵巣腫瘍)を受けた
4)長期にわたり ピル(OCやLEP)を内服をしている
5)ジェノゲスト(ディナゲスト)内服している
6)GnRHa(リュープリン、スプレキュア、ゾラデックス など)を使用する

 閉経が遅くなる因子
1)多のう胞性卵巣症候群
2)肥満

という事でした。しかし、以前、先輩の先生達は、子宮や卵管の手術をしても、卵巣に手術が及んでいなければ卵巣機能は大丈夫などと、我々に説明していたのは嘘だった様です。また、ピルも卵巣機能に影響を及ぼしているのは、驚きでした。

投稿日:2016.6.29

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