トップページ » 医院ブログ

ホルモン補充療法により元気で長生き

2017年、我々日本産婦人科学会にて「ホルモン補充療法ガイドライン」が改訂されました。ホルモン補充療法(以下HRT)は、以前より「エストロゲン欠乏に起因する症状(ほてり、発汗、冷え、うつ症状など)の緩和や治療」はすでに周知のことですが、今回は「エストロゲン欠落によって発生する諸疾患(骨粗鬆症、高脂血症に起因する成人病、認知症、など)のリスク低下や更年期以降のヘルスケア」のために使用されるべきである事がより強調されました。
現在、日本人女性の平均寿命は、87.5歳と年々上昇しています。近年、健康寿命が話題になっていますが、「死に至るまでいかに元気に生活できるか」が最も重要なテーマになっているのは事実です。それでは、今回の改定されたガイドラインに乗っ取って、HRTによって健康寿命を維持する為に期待できる事について述べたいと思います。
まずは、50歳代でHRTを開始し、5~30年行った場合、質調整生存率が1.5年延長するという報告があります。また、すべての女性は閉経後から骨量低下が起こり始め、75歳以上で約半数は骨粗鬆症になると言われておりますが、これもHRTにより予防できることは有名な話です。また、閉経後から多くの女性で脂質代謝変化が起こり、高脂血症に移行しやすくなります。周知の如く高脂血症は、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、肝機能障害、高血圧などの発生の原因なりますが、50歳代からHRTを行う事で多くの成人病の発症を減少させるとことが出来る事も報告されています。また糖代謝障害である、2型糖尿病発症に対してもHRTにより、14~19%減少する事が出来る報告もあります。エストロゲンは脳神経細胞に対して保護的作用があり、50歳代からHRTを行う事によりアルツハイマー病や認知症リスクを減少させる事など多くの報告が全世界中に認知されています。
最近話題になっている事として、手指の関節包内の滑膜にエストロゲン受容体が存在し、更年期以降から腱鞘炎や手根管症候群、ばね指、指関節変形などが起こる事。また口腔粘膜にもエストロゲンやプロゲステロン受容体があり、更年期以降からの口腔内乾燥症や味覚障害などが発生する事。これらの改善にもHRTは有効と言われています。
以前よりHRTでよく話題にのぼるのが、乳癌の発症リスクについてです。HRTガイドラインでは、HRTの施行期間が5年以内であれば、乳癌の発症に何ら影響が無い事が明言されました。逆に大腸癌や胃癌などの消化器癌や子宮体癌などは、HRTにより発症を下げることが出来ると言われています。

投稿日:2018.5.14

現代の女性に月経は本当に必要なものなのでしょうか?

医療の進歩により最近、我々婦人科で話題になっているのは、月経の意義についてです。日本産婦人科学会では、25~38日周期で来る月経を正常月経と言っておりますが、この月経は本当に必要なものなのでしょうか?
一般に月経があるのは、ヒト、サル類、コウモリの数種とトガリネズミの1種に限られています。これらの生物に月経が備わったのは、諸説ありますが現時点では、遺伝的に問題のある受精卵が着床した場合、その個体がそのまま生まれた場合のコストが非常に高い為、子宮内膜を脱落させて、淘汰できる仕組みとして進化したという説が最も有力だと言われています。古代ギリシャ時代、ヒポクラテスは「月経とは」健康のために体内の有害物質を排出する現象などとしていましたが、近代医学では、月経血中などに多数の炎症性物質(炎症性メディエーター、サイトカインなど)が同定されている事から、子宮及びその周辺部に繰り返しもたらされる生理的な炎症と考えられています。
一生に5人程度出産していた昔の日本人女性の生涯月経回数は、50~100回でした。現代の日本人女性の場合、1~2人しか分娩しないことから、生涯月経回数は、400~450回になりました。これは、ここ100年前後の間に日本人女性の生涯月経回数が、4~9倍に増えたことになります。この月経数の増加に婦人科器官の対応が出来なくなるのは当然のことです。これが近年、子宮内膜症、月経困難症、卵巣癌などが増加してきた原因と言われています。
この原理から海外では、1年に4回月経を起こす季節的(周期的)ピルによる治療が広く行われる様になってきました。従来からピルの治療は、偽妊娠療法と称され、妊娠と同様のホルモン状態にして月経を正常周期(28日)にしていました。季節的(周期的)ピルの概念は、服用期間を人為的に調節し、思いのままに月経周期を調節しようというものです。
人によっては、1年に3~4回の月経に、また旅行やデートなどに月経が当たらない様に、アスリートの場合はトレーニングスケジュールに合わせて月経調節する事が出来ます。同様に月経が不順な人にも使用可能です。
妊娠を希望する場合は、この治療を中止することで、妊娠率に問題が出る事はありません。逆にこのピルの継続的な使用により、不妊症の原因になる子宮内膜症の改善や予防が出来ると言われています。H29年6月から、月経困難症が対象となりますが日本でも同様の治療を受ける事が出来るようになりました。ご興味のある方は、婦人科の医師とご相談してみられると良いと思います。

投稿日:2017.7.31

H29年4月からの開院時間の変更のお知らせ

H29年4月1日から 誠に勝手ながら 開院時間を変更させていただきます。

月から土曜日まで 午前診療は 10:00 ~ 13:00 といたします。
月、火、水、金曜日 の午後診療は、15:00 ~ 19:00 といたします。
好評をいただいている 木曜日の 午後の完全予約外来は、今まで通り 14:00 ~ 17:00 行います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

投稿日:2017.3.7

医院ブログ

月間アーカイブ

お問い合わせ

  1. お気軽にお電話ください
  2. メールはこちらから
    メールを作成